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2019. 03. 18  
松井 正博

 この織田作之助賞は今年で35年目であり、主催は大阪市、
大阪文学振興会、毎日新聞社、関西大学、パソナグループ
で協賛は一心寺、ルーブル書店に今回は慶応系の三田文学
会が協力した、という体制でした。

 審査委員長は作家の辻原 登氏、そして今回みごと織田作
之助賞に選ばれたのが作家井上 荒野(あれの)さんの『その
話は今日はやめておきましょう』(毎日新聞出版)でした。




1受賞挨拶をする井上荒野(あれの)さん







≪1、 受賞挨拶をする井上 荒野(あれの)さん≫

 受賞作は毎日新聞の連載小説で、定年後の老夫婦の生活
に20代の青年が入り込んで「老い」をテーマに奇妙な人間模
様を繰り広げていくという設定です。

 夫がある日スポーツバイクで事故を起こし、リハビリ介助の
ために派遣されてきた青年が老夫婦、特に奥さんに頼りにさ
れているうちに、いつか盗みを働いてしまうのです。

 すでに2008年に直木賞をとっている井上さんだけに、登場
人物の生態やひとつひとつの情景や場面など手堅く描かれて
おり、悪事を働きながらどこか憎めない青年の心の動きを上
手に捉えている、と評価されています。

 青春賞は飼い犬が死んでから、父親や母親の生き様が固定
化したり流動化したりで、主人公が不安な心模様に悩まされる
と言う情景を「大きな犬の死体」などのイメージを使ったりして
表現した『ママの犬』の川勝浩人さんに贈られました。

 中高生対象のU-18賞には、『」夏が死ぬ』で15歳の織田
香音(かのん)さんが受賞、それぞれ賞状と副賞が贈られまし
た。




2 毎日新聞社による表彰







≪2 毎日新聞社による表彰賞状授与--≫





3 井上さんと青春賞の川勝さん左、U-18賞の織田さん








≪3 井上さんと青春賞の川勝さん(左)、とU-18賞の織田さん ≫

選考チームを代表して、文芸評論家の重里徹也氏が選
考経過や議論など力関係の裏話を身振り手振りで解説して
くれ、これまでになく分かりやすい選考報告でした。
   



4 重里徹也 氏








  ≪4 文芸評論家 重里徹也氏 ≫
      





5 選考の経過や裏話を軽妙に語る重里氏







≪5 同氏による 選考委員会での経過や裏話の説明 ≫

 作之助賞発表と授与式に続いて祝賀会が開かれ、委員長の
一心寺高口長老が挨拶されて、織田作之助の若い時分に親友の
中に僧籍の人がいて、その縁で一心寺も織田作之助賞に協力
されるようになったことを話しておられました。

 一心寺には一心寺シアターと言うのがあって、その一角に大阪
文学振興会があります。

 
 しかし今回の一番心に残るスピーチは乾杯の音頭を、と指名さ
れた前関西大学学長の河田悌一(ていいち)先生のお話でした。
(写真がなくて残念)

 話が少し長くなるのでとりあえずグラスをテーブルに置くよ
うにと促され、平成になってすぐに今上陛下ご夫妻がアメリカ
に招待され、1994年6月にホワイトハウスの歓迎式典に向
かわれたとき、ビル・クリントン大統領がどのような言葉で新天
皇・皇后ご夫妻にあいさつをされたか――。

 クリントンは福井県の日本の詩人の詩の一説 「 私は朝
もやにけぶるこの景色の中で昨日まで目にしたことのない新
しい花を見つけることほどすばらしい喜びを味わうことはない」
を引き合いに出して、新天皇ご夫妻との新しい友情の絆を
結ぶ喜びを表わしてもてなしたのです。

 これは今年2月24日に亡くなった日本文学・文化研究の第
一人者ドナルド・キーン氏の英訳だとされています。氏は戦前
のアメリカで学生のころ、源氏物語と戦没日本兵の日記を読
んで、がぜん日本文学にのめりこんでいった人です。

 「今日の授与式で新しい花々が生まれた訳ですが、どうぞこ
のきっかけを活かして今後ともますますご活躍されることを祈
って乾杯したいと思います。 乾杯!」

 川柳ふみの会でお世話になっている田中新一先生、大阪
文学振興会のすでに故人になられた冨士 恭夫さん、それに
辻原 登さんの、高校からの優秀な三羽ガラスの友情がな
かったならば、こんな楽しくてためになる一夜もなかったでし
ょう。
                               以上。






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panakorann214

Author:panakorann214
 西成区 区内では三日路ふれあい寄席も認知度を上げてまいりました。
多くのご来場いただくお客さまのお陰、そして素敵な芸を披露してくださる演者さんのお陰、それを陰で支えて下さるスタッフ一同のお陰です。

 演者も、スタッフ一も共に高齢者&後期高齢者になり後何年続けられるか・・・・・
若手を募集しますので、興味のある方はご連絡ください。


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