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2016. 05. 10  
最近、山本兼一さんによる「利休にたずねよ」という
本を読みました。昨年か一昨年かに映画化もされたと思い
ます。




1 山本兼一著「利休にたずねよ」






   <1 PHP文庫 「利休にたずねよ」 >

  これを読むといままで常識的に茶道や千利休やその師、武野
(たけの)紹鴎(じょうおう)についての印象がすっかり変わり
ました。 紹鴎の屋敷跡は西成区の天下茶屋にもあります。




2 武野 紹鴎(たけの じょうおう)の屋敷跡の一部






     <2 紹鴎(じょうおう)の屋敷跡の一部 >





3天神の森=紹鴎(じょうおう)の森





    <3 天神の森=紹鴎(じょうおう)の森 >





4 天下茶屋 跡






        <4 天下茶屋 跡 >

  そこで昨年も行った堺の「利晶の社(りしょうのもり)
」へ再度行きました。 これは千利休と与謝野晶子を代表
させて、堺の文化と歴史を紹介するテーマ館です。



5 さかい利晶の社(りしょうのもり)







    <5 さかい「利晶の社(りしょうのもり)」 >
  今回は与謝野晶子は対象外として、紹鴎と利休の違い
や、利休の青春時代からの美の追求と考え方、表現の仕方
についていろいろと考えさせられました。





6 同じ





            <6 同じ >

小説はフィクションです。しかし歴史小説となると、
登場人物はごまかしが効きませんので、事実関係もほとん
どが事実に基づきます。

  堺は戦国時代は国際貿易都市として栄え、会合衆(え
ごうしゅう)とよばれる豪商たちによって侍をやとい、自
治がおこなわれていました。



7 南蛮(なんばん)交易船







     <7 南蛮(なんばん)交易船 >

利休の家業は、とと(=魚)屋(干物問屋)と倉庫業
であり、その師匠の紹鴎(じょうおう)は武具などに使う
革(かわ)の問屋をやっていました。



8 武野紹鴎(たけのじょうおう)







    <8 武野紹鴎(たけのじょうおう) >

  なぜ利休は紹鴎の4畳半の茶席から変わっていった
か、侘び茶(わびちゃ)の究極のかたちが二畳や一畳半
になり、ついにはなぜ天下人の秀吉と対立し、切腹させら
れるまでに至ったか、がこの小説「利休にたすねよ」の
テーマなのです。



9 さかい利休屋敷にあった初期の茶室







<9 初期の紹鴎の影響が残るさかい屋敷の茶室 >  
  小説は利休切腹の日から始まり、過去をふりかえり
ながら、それぞれ関わった人々の側から利休を見る
ようなかたちで展開され、最後にまた切腹当日に戻るよう
に運ばれます。

  見学は晩年に近い、豊臣秀吉の北野大茶会での4畳半
の茶室を模した「無一庵(むいちあん)」と呼ばれる再現
茶室から始まりました。

  利休は掛け軸には絵よりも書を好んで禅宗の僧の墨跡
(ぼくせき)を飾りました。そのため床に明かり取りの窓
をしつらえました。



10 床の墨跡と明り取り







  <10 床の墨跡(ぼくせき)と明かり取り >
  客が出入りする「にじり口」は幅が80cmほど、高
さは70cmほどで、ほんとうに頭を低くさげて這(は)
うようにしなければ入れません。

茶の湯の前には身分・立場を捨てて亭主と客が溶け合
うようにしなければならない、という利休の考えがあった
ようです。



11 にじり口







           <11 にじり口 >
  にじり口から外をみると、飛び石とお庭が見え、さかい
利晶の社(もり)での、「市中山居(しちゅうさんきょ)」
が味わえます。街中でも山の中にでもいるような気分です。
  

12 にじり口から見たお庭








       <12 にじり口から見たお庭 >

  亭主が座る側の壁の角の柱は楊枝(ようじ)柱といって
和菓子などを切ったり口に運ぶ楊枝に似せた形で下半分を土壁
をぬって広さと空間を演出しています。店舗設計に応用できそ
うです。



13 楊枝(ようじ)柱







<13 ようじ(楊枝)柱 > 

 亭主が出入りする入り口は茶道口(さどうぐち)といって
ここの場合、頭の方は「くしかた」という、侍の袴(はかま)
のようなかたちをしています。




14 茶道口(さどうぐち)






<14 茶道口(さどうぐち) >
天井はまこもと呼ばれる萱(かや)を使って野趣(やしゅ
=自然感)を出し、窓なども利休好みの竹や藁(わら)をふん
だんに使っています。



15 まこもを使った天井







<15 まこもを使った天井 >

なぜ利休は侘び(わび)を追求していったのでしょうか。
秀吉の黄金の茶室にみられる俗っぽい感性を否定する、若い時
代の体験があったからです。






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